慶應湘南藤沢中等部 学校別対策の考え方(1)

慶應湘南の入試は一次試験と二次試験に分かれます。

まずは一次試験を突破するために、一次試験の入試についてその実態と出題傾向を考えていきましょう。

一次試験は2月2日。算数・国語100点 理科。社会50点の300点満点。 試験時間は算数・国語が45分間。理科・社会が25分間。

2013年は一般が男子373名 女子 340名 計713名が出願し、受験したのが669名。一次試験の合格者は341名でしたから、競争率約2倍でした。

算数は、大問6題。ここ数年形が決まってきていて
【1】~【4】までは比較的簡明な問題が出題されます。単問の問題も多く、基礎的な理解ができているかを確認します。概ね一般の受験生にとってはそれほど難しくありませんが、一般と帰国の試験を同じ問題を使って行うので、あまり難しい問題ばかりを並べられない事情があります。

【5】、【6】は一気に問題の難度が上がります。これは【1】~【4】に比してかなり難しく、男子御三家と似たようなレベルと考えてよいでしょう。したがって、6割ぐらいを得点できれば合格ラインに達することができると考えられます。
【1】~【4】をノーミスできて、【5】、【6】を6割、というのが一つの目標でしょう。

【1】~【4】については範囲は特に限られず、幅広く出題されます。【5】~【6】は平面図形、立体図形、速さ、規則性などが中心で、思考力を問われます。

したがって、塾でカリキュラムが終わるまでは、まずしっかりと基礎を固めることが必要でしょう。最近はカリキュラムの進度が早くなりましたから、その分、いろいろなことを短期間でマスターしなければなりませんから、なかなか応用問題にまで手が回らない、という面もあるかもしれません。その場合は中途半端にせず、まずはきっちり基礎を固める、と考えた方が良いと思います。

ただし、基礎をやるにあたってとにかく「正確さ」を身に付けることが重要です。【1】~【4】は簡明な問題ではありますが、ミスが出る可能性があります。やさしいところで間違えてしまうと、差をつけられてしまうので、特に女子の場合は一次の合格ラインに届かなくなる可能性が出てしまいます。簡明な問題であっても、ていねいに解き、とにかく正解率を上げる、ということに着目して前半は練習を重ねてください。

夏休みに入ったら復習をしつつ【5】、【6】の対策に入っていきます。この時期はいたずらにたくさんの問題をやる、というよりはひとつの問題をじっくり考えるようにしていきます。【5】、【6】は男子御三家レベルに順ずるような難しさがありますので、条件も複雑ですし、多面的に考えていかなければなりません。例えば速さの問題にしてもグラフを書いたり、図を描いたりしながら解いていかなければいけないので、そう簡単にできるようにはならないでしょう。ただ、問題は小問2~3問に分かれているので、全部が出来なくても前半2つの小問は正解する、というような得点の仕方は充分想定できます。したがって、あきらめず少しでも得点する、という粘り強さが必要なので、じっくり考えていく練習をしてください。

秋以降は、過去問などを中心に答案練習を続けていくことになりますが、【1】~【4】のていねいさ、【5】~【6】の思考力、両方の面を練習できるように対策を考えていきます。
【1】~【4】については過去問のほか、他校の入試問題から抜粋して解いていっても良いでしょう。一方【5】~【6】については男子御三家の問題を少しずつていねいに解いていく練習をしていきます。

12月までの間に、模擬試験なども含めて、とにかく手を付けたところは確実に正解するという手堅さをマスターしてください。これは湘南合格のためには絶対に必要なことです。

その上で【5】、【6】の問題が半分以上解けるようになっていれば、一次の突破は確実になってくるでしょう。

二次試験も当然一次試験の成績が加味されますから、なるべく高い点数を取れた方が良いので、算数が得意であれば有利ですから、前半は算数の勉強に力を入れてほしいと思います。

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炭酸水に関する問題
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どのくらい伸びるのか?
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古典を知る機会を作る

今年も、中等部では前句付の問題が出ました。

ここのところ俳句や川柳、歌舞伎などの古典に関する出題が増えています。しかし、今の子どもたちが古典にふえる機会はめったにない。歌舞伎を見たことがない子どもたちも多いでしょう。

別に入試に出るから、というわけではないが、こういう機会は今のうちに作っておくと良いと思います。知識は後で、覚えるにしても、そういう機会がないとなかなか興味がわかない。興味がわかないと、入試問題を見たときに、ただびっくりするだけになってしまいます。

こんな問題も出るんだ、ということでせっかくの春休み。歌舞伎を見に行く機会を作ってみてはいかがですか。


平成20年 慶應中等部 国語 

次にあげたせりふは、ある芝居の中で登場人物がのべるものです。その芝居の題名を後の語群から一つずつ選んで番号で答えなさい。

ア 「知らざあ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が歌に残した盗人の種は尽きねエ七里ヶ浜、その白浜の夜働き、以前を言やア江ノ島で、年季勤めの稚児が淵、・・・」

イ 「若君菅秀才の首に相違ない、相違ござらぬ。でかした、源蔵。よく討ったなァ」

ウ 「かように候者は、加賀の国の住人、富樫左衛門にて候。さても頼朝・義経、御仲不和とならせ給うにより、判官殿主従、奥秀衡をたのみ、つくり山伏となって陸奥へ下向ある由、鎌倉殿、聞こし召し及ばれ、かく国々へ新関を立て、山伏を堅く詮議せよとの厳命によって、某、この関を相守る」

エ 「武具、馬具、武具、馬具、三ぶぐばぐ、合わせて武具、馬具、六ぶぐばぐ、菊、栗、菊、栗、三菊栗、合わせて菊、栗、六菊栗。麦ごみ麦ごみ、三麦ごみ。合わせて麦ごみ六麦ごみ、あのなげしの長なぎなたは、誰がなげしの長なぎなたぞ・・・」

オ 「こりゃあ、面白くなってきたっ、サァ、抜け、抜け、抜け抜け抜け、抜かねエか」

1 「勧進帳」 2 「寺子屋」 3 「白波五人男」 4 「外郎売」 5 「助六」


(答え) ア 3 イ 2 ウ 1 エ 4 オ 5

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条件を整理する問題
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漢字練習の間違い
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中等部男子の一次合格者数

以前、中等部男子の一次合格者数は500名程度でした。

しかし、受験者数が減少したころから、一次試験の合格者数も減少し、450名程度となり、ここ2年は350名程度ということになっています。

つまりはやはり二次試験の加点があるにしても、二次試験の合格者数を考えればある程度絞って、じっくり面接で話を聞いた方が良い、ということになったのでしょう。

今年は実受験者数が742名でしたから、359名の合格者で2倍の倍率。だいたい1次試験は2倍程度の倍率になっていると言えます。ただこの一次合格者のうち、2次試験に進んだのは今年262名(昨年317名)とかなり減少しています。となると、2次試験の倍率が今度は下がることになるので、一次をあまり絞りすぎてもいけないかもしれない。

来年、一次の受験者数がどうなるかによって、また変わってくるだろうと思いますが、来年はもう少し一次試験の合格者が増えるといい、と思っているのですが。

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暗算のワナ
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孟母三遷
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生き物を飼う

今年の普通部、理科生物のテーマはトンボでした。

アカトンボ、オニヤンマ、ギンヤンマ、イトトンボ。大きさや幼虫など、例によってなかなか細かい出題があったのですが、その中で飼い方についての設問がありました。

昨年は緑のカーテンの出題があったので、ゴーヤを育ててその観察日記みたいな記事を本サイトでも掲載したのですが、生物を飼う、という経験は子どもたちにとって大事なことだと思うのです。

で、ベットというと犬とか猫になりがちですが、虫でもいいし、植物でもいいので、今年1年飼ってみてください。

それが、入試に出るかどうかは別にして、普通部での勉強には役立つと思います。息子のときは、カイコやコオロギを飼いました。これは課題になっていたようですが、家族にとってもなかなか貴重で楽しい経験でした。確かに勉強は図鑑やテキストでやるわけですが、実際の体験は子どもたちの学習にさらにプラスになります。

できれば昆虫を1つ、植物を1つ、今年のテーマにしてみてください。何を選ぶから始まって、その飼い方やえさ、あるいは肥料など調べることは結構あるでしょう。それを調べることによって、興味がわけば生物の勉強に対する意欲もまた違ってきます。

細かいことを覚えなければいけない、ということが先に立つとどうしても生物の勉強はつらくなります。ただ、こういう経験を積むことで関心が深まれば、もっと知りたい、ということになって知識を覚えることにも積極的になれると思うので、ぜひご家族みんなで楽しんでみてください。

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追跡調査
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放任型と安心メール
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早く解けなくていい

慶應の算数は1問1問はそれほど難しくはないが、しかしある程度問題数はあるので、時間内に解き上げる、というのは多少厄介です。

したがって解くスピードをあげたい、と思われるかもしれませんが、それは意識しない方が良いと思います。子どもを急がせて、ろくなことはない、のです。

急いで解けば、問題文の条件は読み飛ばすし、計算間違いはしでかすし、得点としてはゆっくりやった方が伸びる。大事なのは、速く解くことではなく、正確に解くことなのです。

だから、今のうちから式や計算をきちんと書きながら、確認して解いていく練習をしてほしいと思うのです。しかし、この時期はそんな注意は右の耳から入ったら、左の耳からぬけてしまう。

相変わらず、どこに式を書いたか、計算がどこか、わからないというような答案になっているかもしれません。でもそうなっている理由は実は「急いでいるから」なのです。

つまり急いで解かなければ、式は書けるのです。急いで解くから、式を書くのが面倒になるだけ。ですから、組み分けや月例テストの点数は気になるだろうが、決して「急がせてはいけません。

例えば3割の問題に手を付けなくとも、正解率が100%なら70点はとれるのです。むしろそういう資質を持つ子、すなわち正解率が高い子が合格しやすい。急いでミスが多い子は、成績が伸びにくい。今のうちにしっかり練習しておきましょう。

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長い文章を読み慣れる
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旅行
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前句付

ここ数年、中等部の国語では自分の作品を披露する機会が増えています。

2011年は卒業という季語を使って俳句を作る問題。2010年は大試験という季語を使って同じく俳句を作る問題。

今年は前句付。最初に十四字のお題が出ます。そのお題のことばを使わずに、それに続くように五七五の対句を作るというもので、問題文中くわしくきまりが説明されていました。

でお題は

「喜びにけり喜びにけり」

まあ、試験中ですから、合格することに連想が行きやすいですが、いろいろな子どもたちの発想が披露されたことでしょう。

もちろんきまりが決まっていますので、それに即して書けば良い、ということなのですが、今まで記号ばかり、といわれていた中等部の国語も多少雰囲気が変わってきました。

ちなみに解答欄は記号式の解答は左側に集められ、自由に書く漢字や今回の対句は右側に集められています。とはいえ、やはり受験者が多い分、右側の問題ばかりにはならないのですが。

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第73回 答え合わせ
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プリントを我が子用に編集してしまう
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早めに過去問との相性を試す

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慶應といっても3校の入試傾向はそれぞれ違います。したがって、どこに相性がいいのか、というのはやはり子どもによってそれぞれです。ですから。実際にまだ解ききれない面はあるとは思いますが、それでも過去問を見ておくことは大事です。

今はまだ塾のカリキュラムが続いているし、志望校の問題をやるチャンスはなかなかないでしょう。しかし、やはり何が出るのかということを知って勉強する方が、力の入れどころがはっきりします。

例えば算数について、普通部や中等部は比較的問題数が多い学校です。だからといって、一問一問はそれなりに多少のひねりがあるので、やはりミスが出やすい。ある程度スピーディーに丁寧に解くことが求められます。試験のときだけうまくやろうといっても、なかなかできないので、日頃の勉強からそれを取り入れていかないといけません。それは日頃から先生やお父さん、お母さんから言われていることではあるものの、やはり過去問がこうだから、ということで本人が実感するものです。

ですから、この春休みまでに一度、過去の問題を解く機会を作ってください。そしてこれからの勉強法のついて、具体的にどうしていくべきか、お子さんと話をしてみると良いと思います。

どうしても塾中心に勉強している子どもたちが多いのですが、こういう工夫もしていきたい、というアイデアが出てくればそれは勉強に対する姿勢が能動的にかわっていくきっかけになると思います。

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成績表ばかりを見ない
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下の子
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慶應湘南中等部 2013年結果

3月1日例年通り、結果が発表されました。

幼稚舎からの進学者 6名を加えると本学年は162名になります。

最初の合格者の数がやや少なかったので、補欠打電数は一般、帰国合わせて38名になりました。

昨年は二次合格者 一般147名 帰国40名 今年は二次合格者 一般134名 帰国46名

補欠打電数は昨年が一般13名 帰国5名 一般 31名  帰国 7名

最終入学許可数が 昨年 一般160名 帰国 45名に対して今年 一般 165名 帰国53名

ですから最終入学許可数も今年がやや多かったということでしょう。補欠同点の生徒の数が今年は多く、それで最初の数が絞られたようです。

今年の学年も女の子が多い結果となりました。

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天気図の問題
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誰も悪くはない
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普通部のカバン

普通部に入ると、カバンが指定されています。

このカバン、良くできてるなあと思うのです。まず、結構大きい。

だいたい普通部の子どもたちのかばんは中1のころはパンパンになっていることが多い。真面目に本を家に持って帰ったり、お弁当が入っていたりするからなのですが、小さい子だと明らかにかばんの方が幅が大きいのではないかと思われるくらいにふくれます。でも、丈夫。

中学生の扱いというのはもちろん、粗雑ですが、それに耐えうる強度を備えている。

かつ今流行のスリーウェイであって、リュックにもショルダーにもなります。子どもたちは思い思いの持ち方をしているが、パンパンな子はリュックにしていることが多い。やはりそれだけ重いのでしょう。

黒の詰襟と長年の伝統の制服に身を包んでいる彼らですが、なぜかカバンはちょっとモダンなのです。

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公立一貫校と私立の準備を並行させるには?
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やりたくないことをやる力
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