動く歩道の問題

動く歩道は流水算に代わって出題されることが多くなりましたが、基本的には流水算と同じ考え方をすればよいのです。

2011年慶應普通部の問題


太郎君と次郎君の1歩あたりの歩幅の比は3:4で、太郎君が4歩歩く時間と次郎君が5歩歩く時間は同じです。

(1)太郎君と次郎君の速さの比を簡単な整数の比で表しなさい。

(2)太郎君と次郎君が、ある動く歩道の上を歩きました。太郎君は24歩で、次郎君は20歩でそれぞれ渡り切りました。

では、この動く歩道を太郎君が逆向きに歩くと何歩で渡り切りますか。


(1)の問題は、よく基本問題に出てくる問題ですが、少し表現が違う場合があるので、気を付けてください。
普通は
「太郎君が4歩歩く間に次郎君は5歩歩きます。」
というような表現が出てくるしょう。

この場合は歩幅の比が太郎君:次郎君=3:4
動きの比が太郎君:次郎君=4:5

したがって単純にかければよく速さの比=12:20=3:5

(答え)3:5

(2)太郎君は24歩、次郎君は20歩でわたりきっているのでかかった時間は
24÷4:20÷5=6:4=3:2です。

動く歩道の速さを【1】、太郎君の速さを(3)、次郎君の速さを(5)とすると
(【1】+(3))×3=(【1】+(5))×2

【3】+(9)=【2】+(10)より 【1】=(1)となります。

したがって動く歩道の距離は((1)+(3))×3=(12)

ですから、太郎君が逆にいくと

(12)÷((3)-(1))=6だけかかります。

つまり24歩かかる時間が3なのに対して6の時間がかかるのだから、24×2=48歩かかるということになります。

(答え)48歩

時間と歩数の関係を勘違いしないように気を付けてください。

「映像教材、これでわかる比と速さ」(田中貴)

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速さの問題
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お試し受験は必要か?
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数の性質の問題

平成23年普通部の4番。


ある整数Nを2回かけてできた数をとします。たとえば
【2】=2×2=4です。

(1)B=【A】とするとき、【B】=81 でした。Aはいくつですか。

(2)B=【A】 とするとき、B+【B】=650 でした。Aはいくつですか。


よく問題を読まないとひっかかりそうですね。
(1)は9と思わず答えそうですが、それでは間違いになってしまいます。

【B】=81ですからB=9です。ところが9=B=【A】ですからA=3でないといけませんね。

(答え)3

(2)B+B×B=650 って二次方程式でしょう。

しかし、B×(1+B)だとわかれば、連続する整数の積、ということになります。

650=2×5×5×13=25×26

したがってB=25

A=5

ということになります。

整数を上手に扱うコツをつかんでおきましょう。だからといって、二次方程式を教えてしまわないように、注意してください。
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第55回 量を解いても、できるようにならない場合
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歴史の年号
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火山の問題

2009年、慶應湘南の問題です。


次の問いに答えなさい。

(問1)次の火山の中から活火山をすべて選び、解答らんの番号を○で囲みなさい。

1 富士山  2 浅間山  3 三宅島  4 桜島  5 高尾山
 
(問2)関東地方には、関東ローム層とよばれる火山灰がもとになった地層が広い範囲に分布しています。この地層のもとになった火山灰をふき出したのは、富士山など関東地方の西にある火山であると考えられています。なぜ、西にある火山の火山灰が関東地方に降り積もっているのですか。その理由を次の中から1つ選び、番号で答えなさい。

1 関東地方の東の方向に火山がないから
2 火山は噴火するとき、火山灰を東の方向にふき出すから
3 日本の上空には一年中、西から東に向かって風がふいているから
4 関東地方の沖合の太平洋に黒潮が流れているから

(問3)火山灰を調べると、火山灰に含まれる成分と火山の噴火によって作られる岩石の成分が似ていることがわかります。このことを利用すると、どのようなことを調べることができますか。正しいものを1つ選び、番号で答えなさい。

1 火山灰を降らせた噴火が何年前ごろに起きたかを調べることができる
2 火山灰を降らせた火山までの距離を調べることができる
3 火山灰を降らせた火山がどの火山かを調べることができる
4 火山灰を降らせた火山の噴火の勢いがどれくらいだったかを調べることができる

(問4)火山の噴火で作られる岩石には、黒っぽい岩石と白っぽい岩石があります。黒っぽい岩石と白っぽい岩石を作る火山のおおよその形は、右上の図のようにそれぞれ大きく違います。 図のように、火山の形が異なるのはそれぞれの火山の何が異なるからですか。正しいものを1つ選び、番号で答えなさい。

1 噴火の時に流れ出た溶岩の流れやすさ
2 噴火の時にふいていた風の強さ
3 噴火の時に出た溶岩の量
4 噴火の時に出た火山灰の量
5 噴火の時のまわりの気温

(問5)火山に近い県や市町村では、ハザードマップという地図を作っています。このハザードマップとはどのような地図ですか。正しいものを1つ選び、番号で答えなさい。

1 火山がいつごろ噴火するかを予想した地図
2 火山が噴火した時にどのような被害がおこるかを予想した地図
3 火山が何年前に噴火したのかを示した地図
4 火山のまわりの岩石の分布を示した地図

(問6)次の中で、気象庁が定めている警報をすべて選び、解答らんの番号を○で囲みなさい。

1 地震警報  2 津波警報  3 土砂崩れ警報  4 降灰警報  5 噴火警報


(問1)(答え)○をするもの 1,2,3,4

活火山として浅間山、三宅島、桜島はわかるとして、富士山も?と思われるかもしれませんが、過去1万年前以内に噴火した火山も活火山と定義されています。日本の活火山は現在110あります。

(問2)(答え)3 
偏西風によって火山灰が飛ばされたと考えられます。

(問3)(答え)3
火山灰の成分からどの火山から飛んできたが特定できます。

(問4)(答え)1
黒っぽい岩石はねばり気が弱いのに対し、白っぽい岩石はねばり気が強いのであまり広く流れません。

(問5)(答え)2
ハザードマップとは、過去の記録や調査にもとづいて、どのような被害が生じるかを予測して地図上に表したものです。危険な場所や避難場所、避難先までの経路などが記載されています。

(問6)(答え)2 5

地震については緊急地震速報が出されますが、これは警報ではありません。

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これからの中学受験 
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勢い
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次号は10月25日正午ごろ配信予定です。
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平均に関する問題

2011年湘南の6番


A君、B君、C君、D君、E君の5人は、ある日K駅から0駅まで電車に乗って遊びに行くことになり、乗車中は空いている座席に5人が交代で座ることにした。もし、出発してから到着するまで座席が3つ空いていれば、2つ空いているときと比べて1人あたり片道平均7分12秒長く座ることができる。

(1)K駅から0駅までの片道の乗車時間は何分ですか。

(2)行きに乗ったときには、最初3つの座席が空いていたが、途中で1つ席をゆずり、その後は2つの座席に交代で座った。5人の座っていた時間の平均は、途中から席をゆずらなかった場合と比べて5分36秒短かったという。K駅を出発してから何分後に席をゆずりましたか。

(3)帰りに乗ったときには、0駅からK駅まで2つの座席が空いていた。B君の立っていた時間はA君の座っていた時間の2倍で、C君の立っていた時間はB君の座っていた時間の2倍であった。また、D君の立っていた時間はE君の座っていた時間より3分長かったという。帰りにA君とC君が立っていた時間はそれぞれ何分でしたか。


(1)K駅からO駅までの時間を【1】分とすると、3つの席が空いていた場合のべ【3】の時間、座れたことになり、2つの席が空いていた場合はのべ【2】の時間座れたことになります。

したがって平均は3つの場合が【0.6】2つの場合が【0.4】

その差【0.2】が7.2分にあたるので【1】=7.2÷0.2=36分になります。

(答え)36分

(2)
(1)から3つ空いていた場合、3×36分=108分ですから、平均は108÷5=21.6分

これより5分36秒=5.6分短かったので、平均は

21.6-5.6=16分でした。

5×16=80 がのべの和で、2つだと2×36=72ですから、

(80-72)÷(3-2)=8分

(答え)8分後

(3)全部で2×36=72分 座れます。

A君が座っていた時間を【1】とすると
B君が座っていた時間は36-【2】

これが
C君が座っていた時間は36-(36-【2】)×2

これを整理すると
A【1】
B36-【2】
C【4】-36

E君の座っていた時間を<1>とするとD君の立っていた時間は
<1>+3なので、D君の座っていた時間は33-<1>

これを合計すると【3】+33=72分 となるので【3】=13分
したがってA君が立っていた時間は36-13=23分

またC君が座っていた時間は13×4-36=16分なので、C君が経っていたのは
36-16=20分

(答え)A君 23分 C君 20分

座っている、立っている、ということで結構条件を整理するところが面倒ですが、式をたててみると、すっきり解決できるでしょう。

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豆電球の問題
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友だちとは比較しない
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ニュートン算

慶應湘南2007年の6番です。


SFC美術館では、毎日9時に窓口を開いて入場券を売り始める。窓口を開いてから1分ごとに入場券を買いにくる客の人数は一定で、1つの窓口で1分ごとに入場券を買っていく客の人数も一定である。毎日9時には、入場券を買うために客が行列をつくっている。
(1)平日は、窓口を3つ開くと10時30分に入場券を買う客の行列がなくなり、窓口を5つ開くと9時18分に入場券を買う客の行列がなくなる。窓口を4つ開くと、何時何分に入場券を買う客の行列がなくなりますか。

(2)休日は、9時までに入場券を買うために行列をつくっている客の人数が平日の2倍、窓口を開いてから1分ごとに入場券を買いにくる客の人数は平日の3倍である。また、1つの窓口で1分ごとに入場券を買っていく客の人数は平日と同じである。休日に窓口を10個開くと、何時何分に入場券を買う客の行列がなくなりますか。

(3)休日で窓口が10個開くときに、ある人が9時15分までには入場券を買いたいと考えた。遅くとも、何時何分までに入場券を買いにくればよいですか。


(1)
9時までに並んでいる人の数を[1]、1分あたりにやってくる人数を(1)、1分あたり1つの窓口が売る人数を【1】としましょう。
最初の条件は
[1]+(90)=【1】×3×90=【270】
次の条件は
[1]+(18)=【1】×5×18=【90】
上の式から下の式を引くと
(72)=【180】ですから、(1):【1】=180:72=5:2
すると【1】=2とすれば(1)=5ですから、下の式にいれて
[1]+90 = 180から [1]=90
窓口4つの場合は2×4=8 くる人数を引くと8-5=3
90÷3=30分ですから答えは9時30分になります。
(答え)9時30分

(2)
休日は[1]=90×2=180 (1)は3倍なので5×3=15
窓口10個で2×10=20
180÷(20-15)= 36分 
(答え)9時36分

(3)9時15分までに窓口が処理する人数は
2×10×15=300だから最初から並んでいた人は解消されています。
9時から並んだ人数は300のうち
300-180=120なので、この120の中に入れば9時15分までに入場券を買うことができます。

したがって120÷15=8分から9時8分までに並べば良いことになります。

(答え)9時8分


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志望理由は親子で考える
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足元を見て、と言われるが
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仕事算

2010年慶應湘南の問題です。


ある工場では、ある製品を毎日同じ童だけA、Bの2種類の機械を何台かずつ使って生産している。Aを3台、Bを2台使うと3時間20分で生産が終わり、Aを2台、Bを5台使うと2時間15分で生産が終わる。
(1)Aだけを4台使うと、生産を終わらせるのに何時間何分かかりますか。
(2)Aを何台かと、Bを9台使い、45分以内で生産を終わらせるようにしたい。少なくともAを何台使えばよいですか。
(3)ある日、Aを2台、Bを2台使って生産を始めた。1時間後、Aを2台加えてさらに1時間生産を続けたところで、Aをすべて止めなくてはならなくなった。そこで、Bを3台加えて残りの生産を終わらせた。生産を始めてから終わらせるまでに、合計何時間何分かかりましたか。


(1)Aの1分あたりの仕事を【1】Bの1分あたりの仕事を(1)とすると
【3】×200+(2)×200=【2】×135+(5)×135
【600】+(400)=【270】+(675)より、【330】=(275) 【6】=(5)
なのでAの1分あたりの仕事を5、Bの1分あたりの仕事を6とすると、全体の仕事は
5×3×200+6×2×200=3000+2400=5400
5400÷(5×4)=270分=4時間30分
(答え)4時間30分

(2)5400÷45=120…1分あたりの仕事の量
120-6×9=66…Aのすべき仕事 66÷5=13…1よりAは14台
(答え)14台

(3)最初の1時間は(5×2+6×2)×60=1320
次の1時間は(5×4+6×2)×60=1920
5400-(1320+1920)=5400―3240=2160
Bが5台なので6×5=30
2160÷30=72分
最初の2時間を加えて120+72=192分=3時間12分
(答え)3時間12分

慶應進学オンラインより

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過去問は何年分、何回やるか?
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右肩上がりの子
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推理する問題

平成21年度普通部算数8番です。


A、B、C、D、E、Fの6人が3人ずつ向い合せに座りました。座り方について、この6人が次のように説明しました。

A:僕は端に座った。
B:A君は僕から見て正面の右どなりにいた。
C:僕はE君の正面に座った。
D:僕から見て向かい側の左端にF君が座っていた。
E:C君はF君と同じ側に座っていた。
F:僕はB君とは向かい合わせではなかった。

AからFの座席を図に書きこみなさい。(答えだけで良い。)


だれもウソを言っていないので、まだいいかなとは思いますが、しかし、どこから始めればいいでしょうか。

まず同じ側か向かい側かの情報を集めてみましょう。

A君とB君は反対側。C君とE君も反対側。C君とF君は同じ側。F君とB君は同じ側。

ということは

B君とF君とC君が同じ側で、残りA君とD君とE君が同じ側になります。

次に位置の情報を考えてみましょう。

A君とB君の発言から2人の位置をまず決めてみます。

次にD君の発言から、A君とD君は同じ側ですから、F君の位置が決まります。

次にE君の発言から、対面があいている席は1つしかないので、C君とE君の席が決まります。

最後にD君の位置を入れて、これで完成です。

A君の位置が右下にくれば、下の図でも正しいことになります。

同じ側か、反対側か、だけに注目してみると結構情報が多いので、ここが切り口になったでしょう。

この手の問題はクイズみたいな感じですが、しかし、比較的良く出題されることがあるので、練習しておきましょう。
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4年後期
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スムーズに後期へ
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調味料の問題

平成21年の普通部の問題です。

次の(サ)~(タ)の調味料を使って実験をしました。

(サ)白砂糖
(シ)食卓塩
(ス)米酢
(セ)醤油
(ソ)みそ
(タ)ごま油

実験1 ぬるま湯を8分目まで入れた6つのガラスのコップに、それぞれ小さじ1杯の調味料を入れてよくかき混ぜた。

実験2 6つのなべにそれぞれ大さじ1杯の調味料を入れ、ガスコンロで加熱した。

1 実験1でかきまぜた後も、ぬるま湯だけのように見えたものを(サ)~(タ)から3つ選び、記号で答えなさい。

2 実験2で、加熱して初めてにおいが感じられたものを(サ)~(タ)から1つ選び記号で答えなさい。

3 (サ)~(タ)の調味料はどのように作られていますか。最も適当なものを次の①~③からそれぞれ1つ選び、番号で答えなさい。

① 目に見えない生き物のはたらきを利用して作られている。
② 生き物のからだをしぼったり、煮詰めたりして作られている。
③ 生き物のはたらきを利用せずに作られている。


キッチンに入り慣れていれば、まあ、それほど難しいという問題ではないでしょうが、普通部はたまに、この手の問題を出してくれます。

1はお湯に溶かしたときにかわらないもの、ということですから、白砂糖、食卓塩、米酢を選びます。

醤油、みそ、ごま油とも色がついていますから、お湯にいれたらすぐ色が変わりますね。

2はちょっと難しい。
普段からにおいがしないものを考えると、白砂糖か食卓塩になります。で、砂糖は煮詰めていけばカラメルになるのでにおいがわかりますが、食卓塩はにおいがしません。
したがって答えは白砂糖。

3 白砂糖はさとうきびやてんさいを原料とするので②。食卓塩は③。米酢、みそ、醤油は発酵の過程を使っているので①、ごま油はとうぜんごまを絞るので②。

ということになります。

たまには男の子といえども、キッチンでいっしょにお料理をするのも大事なことですね。

(解答)
1 サ、シ、ス
2 サ
3 サ ② シ ③ ス ① セ ① ソ ① タ ②

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苦しんだ分だけよくわかる
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子どもの受験ですから
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食塩水の問題

普通部の19年度の問題。


2つのビーカーA、Bに濃さの違う食塩水がそれぞれ入っています。AとBの食塩水の重さの比は2:3です。
次の2つの作業を順に1回ずつ行います。
 ・Aの食塩水の半分をBに移して、よくかき混ぜます。
 ・Bの食塩水の半分をAに移して、よくかき混ぜます。
2つの作業後のA、Bの食塩水の濃さの比は4:5になります。
ここで、食塩水の濃さとは、食塩水の重さをもとにした食塩の重さの割合のことです。
(1)2つの作業後の、AとBの食塩水の重さの比を求めなさい。
(2)最初のAの食塩水の濃さが4%のとき、最初のBの食塩水の濃さを求めなさい。


問題をよく読まないとひっかかるかもしれません。

(1)

最初にAとBには2と3の食塩水があったのです。
そのうちAから半分Bにいったのだからこの段階では、
Aには1 Bには4の食塩があります。今度はBから半分Aにもどるので、
Aには3 Bには2の食塩があります。
したがって最初の答えは
3:2です。

(答え)3:2

(2)
3:2の食塩水の重さに対して濃さの比は4:5です。

したがって食塩の重さの比は

A:B=3×4:2×5=6:5

これをもどします。

6:5→1:10→2:9

が最初の食塩水の重さの比になります。

したがって濃さの比は

2/2:9/3=1:3になるので

したがって最初のAの濃さが4%であれば

4×3=12%がBの濃さになります。

(答え)12%

食塩の重さ、食塩水の重さ、濃さと比が3種類ありますので、十分に注意して解いてください。

慶應進学オンラインより

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お盆休みに苦手をひとつ克服する
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秋の模擬試験のスケジュールを考える
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速さの問題

速さも毎年出題される、非常に重要なテーマです。しかも、他のテーマに比べてみると、やはり複雑な手順を必要とする場合が少なくありません。

以下は2009年の湘南の6番。6番ですから、やはりそれなりに骨があります。


A町とB町を結ぶ1本の道があり、途中にC町がある。太郎君、次郎君、三郎君の3人はA町を同時に出発して、太郎君は自転車に乗ってA町とB町の間を2往復し、次郎君と三郎君は歩いてA町とC町の間を1往復する。

太郎君の速さは毎時20km、次郎君の速さは毎時5km、三郎君の速さは毎時4kmである。

次郎君と三郎君の「出会い」が初めて起こったのは、3人が出発してから100分後であった。

また、三郎君がC町に着くまでに、三郎君と太郎君の「出会い」は2回起こったが、その間に三郎君は2km歩いていた。

 ここで、「出会い」とは、「だれかとだれかがすれちがったり、だれかがだれかに追いついたりすること」とする。

(1)A町とC町の間の距離を求めなさい。

(2)A町とB町の間の距離を求めなさい。

(3)4回目の「出会い」が起こったのは、3人が出発してから何時間後ですか。


速さの問題は、題意をつかむことがまず大事です。

そのためにグラフを用いるのは、有効な方法でしょう。

題意をグラフにすると、以下の通りになります。

(1)次郎君と三郎君が100分で初めて出会ったのだから、

(5+4)×100/60÷2=7.5㎞ がAからCまでの距離になります。

(答え)7.5㎞

(2)三郎君が2㎞移動するのにかかる時間は

2÷4=1/2時間

その間に太郎君は20×1/2=10㎞移動する。

(10-2)÷2=4㎞

なので二人が最初に出会ったのはAから4㎞のところになります。

そこまで三郎君は4÷4=1時間かかるので、太郎君も1時間動いていますから20㎞移動している。そこから4㎞でABを一往復したことになるので

(20+4)÷2=12㎞ がAB間の距離になります。

(答え)12㎞

(3)4回目はグラフから太郎君と次郎君の出会いになります。

太郎君が1回目にAに戻るのは

24÷20=6/5時間

次郎君がCに着くのは

7.5÷5=3/2時間

その時までに太郎君は3/2-6/5=3/10時間動くので

20×3/10=6㎞ したがって二人の間は

7.5-6=1.5㎞になります。

1.5÷(5+20)=0.06時間

したがって3/2時間+0.06時間=1.56時間

(答え)1.56時間

この問題は速さとグラフの中では比較的解きやすい問題でしょう。上手にグラフを書きながら、題意をしっかりつかんで、確実に正答できる力を養ってください。

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