慶應湘南国語入試傾向

試験時間は45分。100点満点です。

1問目が知識。漢字の書き取り。2問目以降長文の読解。大問2題程度。例年2問目に物語文。3問目が説明文。そして最後に100字作文という構成になっています。

長文の読解はそれぞれ小問が10問程度。これに作文が加わるのでスピードが求められています。読解の問題は選択肢の問題が多いが、一部、記述の問題も含まれます。

最後の100字作文はいろいろと工夫がみられ、詩を読んだ後にイメージを書かせたり、デザインをつくらせた後でその説明をさせたりと多彩。

レポートの多い学校ではあるので、やはり文章を書くということに対して積極的な姿勢を持つ子を取りたいという出題の意図があるように思えます。過去問を仕上げた後は、男子上位校の長文読解の問題にも取り組んでみると良いでしょう。

漢字の出題についてはそれほど難しいことはありません。1問目の知識では熟語に関する問題が増えていて、単に漢字の書き取りをするというよりは、語彙の広さを求めている印象があります。

記述は練習が必要で、特に100字作文については対策をしておいた方が良いでしょう。どういうことが求められるか定型化してない分、興味を持って取り組む必要があります。例えば今年の問題でいえば、4本脚の物体の写真を見せてどういう動きをするかを説明させていました。子どものいろいろな表現力に目を向けようとしているので、楽しんで書く、という気持ちは必要でしょう。

読解に関しては選択問題が多いため、比較的点数はまとまりやすいと思いますが、それでも紛らわしい選択肢も少なくありません。本文中に根拠を見つけながら、正確に答えにたどりつく練習をしておきましょう。

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セレクション
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中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

図が描けない子
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慶應湘南算数入試傾向

45分、100点満点。 出題は6題。
例年1~4と5番、6番で難度に差が出ます。同じ問題を帰国生も受験するので、ある程度差がでるように前半4題はやさしめに、後半2題は難しめに、という構成になっています。5番、6番の2題は慶應3校の中で一番、問題の難易度が高いでしょう。
計算問題は例年2題。最初の2問は一行問題に近い出題。後半にしたがって難易度が増してきます。

頻出する範囲としては規則性、数の性質、グラフ、速さ、図形、比と割合。

図形と規則性についてはほぼ毎年の出題されますが、難易度にばらつきがでます。前半4題の中で出題される場合は若干、やさしめ。後半2題で出題される場合はなかなか難しくなります。

中等部や普通部に比べて問題数が少ないので、1問に対する配点が高くなっていますので、ミスが出ると失点の幅が大きくなります。したがって前半4題はきっちり得点して、5番、6番で半分は得点するようなイメージをもって解いていきましょう。

後半の5番、6番は問題文も長く複雑になっていますが、しかし小問に分かれている問題の中にはすぐ答えが出る問題も少なくありません。ですからしっかり考えて、自分の得点できるところを確実にとるというていねいさが合格のポイントになるでしょう。

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ブロックを組み合わせる
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やりっぱなしにしない
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慶應湘南の女子

息子が普通部から湘南へ進むための保護者説明会に出ていたときのこと、湘南の先生から
「普通部からくる諸君には、やはり男子の活発さ、元気さというものを期待したい。」
という話があって、ああ、そうなんだろうなあ、と思っていました。

中等部も共学ですが、中等部の場合は男子と女子の比率が違います。中学での募集は男子が約140名、女子が50名。およそ3:1。幼稚舎の女子がほとんど中等部に来るのに対して男子は普通部に行くことが多いので、バランスをとるのですが、それでも男子は女子の約2倍という構成になっています。

しかし、湘南の場合は中学からの入学者がほとんどで、しかも男子:女子が1:1になります。

この時期の男子と女子を比較すると明らかに女子の方が精神年齢は高い。かつ、慶應の偏差値から見れば女子の方が難しい。2:1でも女子が強い、などと言われる中等部のことを考えると、湘南は最早、明らかに「女性上位」の世界であることは間違いない。

だから男子校である普通部からくる生徒が刺激になるか、というと残念ながらあまりそうではない。そんな、生半可な強さではありませんし、また、こういう年頃の男子校育ちぐらい、女子に対してか弱いものはないわけで。

では湘南の男の子はだめなのか、といえば、当然そうではありません。そういう中でもしたたかに、自分の個性を磨いている。だからむしろ、これからは活躍するんじゃないだろうかと思います。

「強い女性の上司が出てきても、柔軟に対応できる」個性はなかなかのものです。

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4年生の夏休みに分数と小数の計算を練習しよう
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がまんできない子
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慶應湘南 第2回 学校説明会

慶應湘南藤沢中等部の2回目の学校説明会が以下の日程で行われます。

開催日時:2012年9月8日(土) 13:30~14:30/15:15~16:15
湘南藤沢キャンパス大学校舎シータθ館

1回目は三田キャンパスでの開催でしたが、今回は湘南キャンパスでの開催で、説明会後1時間程度校舎内の見学ができます。
ただし、校舎内見学だけの参加はできません。

事前申し込みは不要ですが、大人数の場合、入場できない場合がありますので、早めにお出かけください。

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できるようになってるぞ
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午前中が勝負
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速さの問題

速さも毎年出題される、非常に重要なテーマです。しかも、他のテーマに比べてみると、やはり複雑な手順を必要とする場合が少なくありません。

以下は2009年の湘南の6番。6番ですから、やはりそれなりに骨があります。


A町とB町を結ぶ1本の道があり、途中にC町がある。太郎君、次郎君、三郎君の3人はA町を同時に出発して、太郎君は自転車に乗ってA町とB町の間を2往復し、次郎君と三郎君は歩いてA町とC町の間を1往復する。

太郎君の速さは毎時20km、次郎君の速さは毎時5km、三郎君の速さは毎時4kmである。

次郎君と三郎君の「出会い」が初めて起こったのは、3人が出発してから100分後であった。

また、三郎君がC町に着くまでに、三郎君と太郎君の「出会い」は2回起こったが、その間に三郎君は2km歩いていた。

 ここで、「出会い」とは、「だれかとだれかがすれちがったり、だれかがだれかに追いついたりすること」とする。

(1)A町とC町の間の距離を求めなさい。

(2)A町とB町の間の距離を求めなさい。

(3)4回目の「出会い」が起こったのは、3人が出発してから何時間後ですか。


速さの問題は、題意をつかむことがまず大事です。

そのためにグラフを用いるのは、有効な方法でしょう。

題意をグラフにすると、以下の通りになります。

(1)次郎君と三郎君が100分で初めて出会ったのだから、

(5+4)×100/60÷2=7.5㎞ がAからCまでの距離になります。

(答え)7.5㎞

(2)三郎君が2㎞移動するのにかかる時間は

2÷4=1/2時間

その間に太郎君は20×1/2=10㎞移動する。

(10-2)÷2=4㎞

なので二人が最初に出会ったのはAから4㎞のところになります。

そこまで三郎君は4÷4=1時間かかるので、太郎君も1時間動いていますから20㎞移動している。そこから4㎞でABを一往復したことになるので

(20+4)÷2=12㎞ がAB間の距離になります。

(答え)12㎞

(3)4回目はグラフから太郎君と次郎君の出会いになります。

太郎君が1回目にAに戻るのは

24÷20=6/5時間

次郎君がCに着くのは

7.5÷5=3/2時間

その時までに太郎君は3/2-6/5=3/10時間動くので

20×3/10=6㎞ したがって二人の間は

7.5-6=1.5㎞になります。

1.5÷(5+20)=0.06時間

したがって3/2時間+0.06時間=1.56時間

(答え)1.56時間

この問題は速さとグラフの中では比較的解きやすい問題でしょう。上手にグラフを書きながら、題意をしっかりつかんで、確実に正答できる力を養ってください。

慶應進学オンラインより

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波に乗る
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夏に伸ばす子
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夏休みは長い

大学ほどではないにしろ、諸学校の夏休みは長いのです。

9月1日に2学期は始まらない。だいたい10日前後でしょうか。学校にもよるのですが、こういうことはホームページに書いていない。

ただ普通部も湘南も遅かったと思います。

近年、公立は土曜日が休みなので、夏休みが短縮されて8月の最後の週から学校が始まります。慶應は週6日なので、それがない。したがって、9月1日から始まらない。

これはある意味理にかなっているところがあります。なぜ夏休みがあるのか?暑くて勉強するのは大変だから。

だとすると9月1日は充分暑い。だったら、もう少し遅くから始まった方が良い、わけです。

しかし、長く家に居られると、

「そろそろ、学校に行ってほしいなあ」

とつい思ってしまいますが。

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大規模校舎と小規模校舎
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夏休みは小言に気を付ける
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始業時刻

普通部、中等部、湘南の3校は実は始業時刻が全部違います。

一番早いのは?

中等部 8時10分

一番遅いのは?

湘南、と思いがちですが、実は普通部の9時。 

ちなみに湘南は8時40分ですが、バスの関係から8時には湘南台か辻堂の駅にいるように、という指導がされているので、結構やはり早い。

普通部が9時なので、部活の朝練が大変なのだろう、と思われがちですが、基本的に朝練はしない、ということのようです。

毎日のことですから、始業時刻と通学時間はしっかり考えておきましょう。

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第41回 相対的位置と絶対的位置
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合宿に行けなかった子
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次号は本日正午ごろ配信します。

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立体と容積の問題

平成18年 慶應湘南の問題です。

図1において、立体Aは直方体から直方体を切り取ったものである。また水そうBは直方体の形をしたものである。

Bに深さ20cmまで水を入れ、AをBに毎秒1㎝の速さでしずめた。ただし、Aの底面(かげのついた面)とBの底面はつねに平行であったとする。

図2はAの底面と水面が接した時を0秒として、水の深さの変化を表したグラフである。

(1)Aの体積を求めなさい。

(2)Aにおいて(あ)の長さを求めなさい。

(3)図2において(い)の時間を求めなさい。


(1)全部入れたときに深さが32㎝になったので、12㎝分の体積があります。

10×12×12=1440㎝3

(答え)1440㎝3

(2)
グラフは3秒後に水の深さが急に上がっていますので、3秒後に(あ)の深さまで達したことになります。

立体Aが1㎝入ると、8×6×1=48 容積がふえるので、

 48÷(10×12-48)=2/3cm

水の高さがあがることになります。結果として

1+2/3=5/3cm水中に入っていくことになるので、3秒後は

5/3×3=5

(答え)5㎝

(3)
3秒後は1㎝はいると、体積は8×10×1=80㎝3増えるので
水面は80÷(120-80)=2㎝上がります。したがって
2+1=3㎝ずつ水中に入っていきます。

立体Aの体積は1440cm3で、(あ)の高さが5㎝ですから残りの体積は1440-8×5×6=1200cm3
1200÷80=15㎝が残りの高さですから

15÷3=5
3+5=8が(い)になります。
(答え)8秒

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高校で募集する私立受験校
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慶應湘南藤沢中等部帰国枠

慶應の3つの中学の中で、帰国枠があるのは慶應湘南だけです。

多様なキャリアを持つ生徒が学校に集い、お互いがお互いに影響しあいながら、生徒たちの新たな資質を生み出していく、というのがコンセプトですから、高校の全国枠もそうですが、他校に比べて入試には特徴があります。

今年の入試の帰国枠条件は以下の通りでした。

下記の条件をすべて満たしている者に限ります。
1. 1999年4月2日から2000年4月1日までに生まれた者。
2. 次の①か②の条件のいずれかを満たしている者に限ります。
① 2011年1月以降に帰国した者または帰国予定の者で、帰国日から遡って国外在住期間が継続して2年以上の者。
② 2005年9月1日から2012年3月31日までの間に、通算3年以上国外に在住した者。
(注:国外の学校の学期終了が国内の学校の学期開始と一致しない等の理由で、通算3年間以上の算出に不明な点がある場合は、お問い合わせください)
3. 湘南藤沢中等部に入学後、父、母または親権者のもとから通学できる者

他の学校に比べて、やや帰国条件は緩やかですが、入学後は父、母あるいは親権者のもとから通学することが求められます。中学校の間は寮、下宿などの利用はできません。

一次試験は算数と国語については、国内一般受験生と同じ問題を受験します。

あとは外国語作文を選ぶか、理科・社会の試験を受験するか、どちらかの選択になります。理科、社会の問題は国内生と同じになります。

なお外国語作文は、基本的に英語ですが、それ以外の言語での作文を希望する場合は、出願書類を郵送する前に事前相談が必要となります。

海外で、入試準備をされている方も多いと思いますが、4教科の試験については国内生と同じ問題になります。ただ、合格ラインが国内生と違いますので、その点がやや緩やかになる可能性があります。外国語作文のレベルは結構高いので、どちらを選ぶかは悩ましいところですが、少なくとも英語の作文については英検準1級程度の力は求められると考えられた方が良いでしょう。

秋以降の学習や学校の環境を考えた上で、早めに選択して準備を進めてください。

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模擬試験の記録
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子どもの疲れを見逃さない
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テニスコート

慶應諸学校で、中高が同じ校舎にいるのは、慶應湘南だけです。

それ以外の学校はすべて単独で存在します。塾高と普通部は同じ日吉ですが、校地は駅をはさんで反対側。したがって湘南は大学、高校、中学と同じ場所にある今のところ唯一の学校ということになります。

したがって、湘南キャンパスは広々しているように見えるが、案外、狭い。というか、施設が足りない。

例えばテニスコート。

湘南は硬式テニス部だけで4部あります。

高校男子、高校女子、中学男子、中学女子。

したがってこの4部が練習するということになると、まあ、コートは必然的に足りないので、外に借りたりする。

今年の春、久しぶりに行ってみたら、看護学部のところに新たにテニスコートができていました。これで解消されたかどうかはわかりませんが、まあ、いくらかでも活動の足しになれば良いと思います。

その意味で言えば、志木高の施設はうらやましい。

あの生徒数で、あの広さ。しかも硬式テニスは高校男子しかいないわけだから、充分な練習環境と言えるでしょう。

中等部や女子高も場所が場所だから、なかなか大変です。

同じ諸学校といいながら、それぞれのグラウンド事情があるのです。

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塾? 学校?
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言い訳の多い子
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