暗算はどこまで?

普通部の場合、算数では式を書きます。

しかし、すべての式が書き切れるわけではない。スペースがそこまで大きくはないからです。したがって一部の計算は暗算で先に進んでも構わないわけですが、暗算はやはりミスが怖い。

ということで、一部式を飛ばしてもいいが、どこかには書いておいた方が良いでしょう。

つまり、全部書くと書き切れないが、自分で確認するためには式はあった方が良いのです。

例えば19×3=57

という計算を暗算でやるとしても、この式はどこかに書いておいた方が良い。

38×3=104

この計算は間違っていますが、式を書いていれば見た後、ああ、ここで間違えていると発見できる。

過程が残らないと後で確認のしようがないのです。ですから、暗算はしてもいいが、式は残す、という形をとってください。

ただ問題用紙はあまり書くスペースがありません。したがって、解答用紙の現物で練習すると良いでしょう。

ちなみに、普通部の解答欄は一問あたりおおよそ、横15cm、たて5cmです。

ノートにそのスペースを作って練習してもいいかもしれません。

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過去問が遅れる塾
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労作展の意義

きっと今頃、普通部の生徒諸君は労作展の作品に頭を痛めていることでしょう。

普通部には文化祭がありません。その代わりとしてこの労作展がある。労作展というのは、生徒たちが思い思いの研究や作品を発表する。1学期に何をするのか、何を作るのかを決めて、夏休みに制作する、あるいは研究する。その成果を9月末の展示会で発表するわけです。各教科が採点をするので、賞も出るが、実はこの労作展は非常に教育的な意義があると私は思っています。

しかもそれは中2以降に出てくる。

中1ははっきり言えば保護者がかりです。見ていればわかるが、中1の作品が一番すごい。これは一族郎党、すべてのエネルギーを注いだだろう、みたいなところがあるわけですが、しかし、見た目はすごくとも、本人の教育にはあまりプラスにはなりません。

そういう憑き物が落ちる中2からがおもしろい。

子どもが何に興味を持ち、何を作るのか。見ていると、明らかに手を抜いているな、と思えるものもあるが、中には本人が本気で仕上げたものも少なくない。

そして、この本気が、その先の将来を暗示している部分があります。つまり、そこまで関心を持っていろいろなことを調べ、創り出したものだから、そこに本人のアイデンティティが明確に表れている。これは労作展がなければ、もしかすると見つからなかったかもしれないのです。

しかし、これがあるからこそ、子どもたちは「何をしたいか?」と考えただろう。そしてその結果として、自分はこうしたい、と思うものが見えたはずなのです。

もちろん、それが決まりではないでしょう。この先にもまたいろいろな変化があるだろうが、しかし、労作展で考えられた、ということは子どもたちにとっては有意義なことのように思えるのです。

あまり労作展のようなイベントを他の学校では聞きませんが、これは他の学校でもやっていい企画だと思います。

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制服の良し悪し
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そこまでの負担はさせたくない
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皮肉?

2013年の普通部社会の問題です。


 わたしたちが何かを買ったり利用したりするときには、ねだんを見て、①売り手に直接、現金やカードで支払うことが一般的です。そのねだんは、店などが売りたい数量と、客が買いたい数量の関係によって決まっていきます。しかし、②すべてのねだんがこのように決まるわけではありません。

1.下線部①のようにして支払うのが一般的でないものを、次のア~コから一つ選んで記号で答えなさい。
ア.防災ずきん イ.鶏卵 ウ.タクシーの運賃 エ.ランドセル オ.市販薬
カ.郵便はがきの料金   キ.家庭の電気料金  ク.米 ケ.本 コ.ミネラルウオーター
(注)市販薬…薬局などで自分で選んで買うことができる薬


平成21年に、ものの値段の問題が出たり、カレーライスの作り方が理科で出たりする普通部ですが、しかしこの問題も、その類に入るのかもしれません。

単に勉強ばかりではなく、常識や世の中の流れを小学生なりに知っている、ということは大事なことだというのは福澤諭吉の元の考え方にあるので、こういう問題がときどき出ます。

答えはキの家庭の電気料金。電気代は、その月に使ったものを後から請求されて支払うのだから、払い方が違います。

受験勉強ばかりやらせていないように、と入試問題で言われるのも皮肉なものですが。

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第87回 手厚い塾
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過ぎたるは及ばざるがごとし
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つばめの巣

つばめの季節になりました。

先日も街を歩いていたら、お店の軒先につばめが巣を作っていました。親ツバメが忙しく出入りして、エサを運んでいるようです。

以前、普通部の生物の期末試験だったかに、普通部通りのどこにツバメの巣があるか?という問題が出た、という話を聞いたことがあります。

基本的にフィールドノートは課せられているので、植物や動物の観察記録を作るわけだから、そういう観察眼を意識させるために、こういう問題が出たのだろうと思いますが、この考えのもとに普通部の理科の問題は作られていると考えて良いでしょう。

生物の出題は多いが、だからといって珍しい動物や植物が出題されるわけではない。気を付けていれば日常生活に見られる植物や動物を出題しているのです。

しかし、今の子どもたちの生活がそういう認識からかけ離れたところにある。その分、普通部の問題は「難しい」と感じられるでしょう。

ただ、入学すればそういう方針のもとにフイールドノートを作ったり、レポートを書いたりするわけだから、それがしんどい、と思う生徒を入学させるわけにはやはりいかない、という面はあります。したがって、家庭でいろいろ生物に対する意識は広げておかなければならないのです。これは6年生になったから、というよりはもっと早くから意識しておいた方が良いでしょう。

家で生物を飼うこともその意識を作る意味で大事なことです。

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募集要項が決定する時期
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帰国した子
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弓道場

学校にはいろいろな施設が必要です。

プール、体育館、理科実験室、美術室、音楽室などなど。

体育の施設もいろいろで、ある学校ではアメリカンフットボールのグラウンドがありました。卓球場が広い学校もあれば、体育館がバスケットとバレーボール両方できるところもあります。

で、普通部に弓道場があります。

和弓場。

袴をつけて、部員たちが矢を射ます。

弓道場がある学校はそう多くはありませんが、これもまた子どもたちの可能性を開く大事な施設のひとつです。

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数の性質ー素因数分解
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第一志望を早く決める理由
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場合の数の問題

今年の慶應普通部の問題です。


A、B、C、D、E、F、Gの7人がいます。3人1組のチームを3つ作ります。このままだと2人分足りないので、AとBの2人だけが2チームを兼ねることにします。チームの分け方は何通りありますか。


ABがチームを兼ねるのですから、AACのようなことはできません。

したがって考えられるパターンは2つあります。

(1)A○○ B○○ AB○ という場合と

(2)AB○ AB○ ○○○ という場合です。

(1)はA○○の選び方が残り5人の中から2人を選ぶ組み合わせになるので、5×4÷2=10通り B○○は 3×2÷2=3通りですから、選び方は10×3=30通りになります。

(2)は最初のAB○が5通り。次のAB○が4通りですが、ここで最初にABCと選ぶのと、次にABCと選ぶので重複します。
したがってこの場合は5×4÷2=10通りになります。

したがって合計は30+10=40通りが答えです。

(2)の選び方を忘れそうです。しかも重複があるので、計算を気を付けなければなりません。

シンプルに見えてミスが実は出やすい問題だったかもしれません。
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過去4回のまとめ
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普通部がtwitterを開始

夏の参院選からインターネットの選挙運動が可能になった、というニュースを聞いたばかりですが、慶應普通部もtwitterを始めたようです。

普通部のホームページをごらんになると、トップページに出てきています。

確かにこういう学校広報の方法は広がっていくでしょう。

そのお知らせによりますと、今年の普通部の説明会は9月21日(土)に行われることが決まったようです。

例年その時期は、労作展ですが、労作展の土日の土曜日に大学の独立館で行われています。まだ詳細はホームページに掲載されていませんが、そのうち詳細が出てくるでしょう。

湘南や中等部も見てみましたが、どうも始めたのはまだ普通部だけのようでした。

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差集め算
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量は追わない
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慶應普通部 学校別対策の考え方(4)

普通部の社会は、理科と同じで試験時間は30分。100点満点。解答用紙は変形A3版。幅はほぼA4の縦と同じですが、問題の長さによってたての長さが変わります。

大問は5~6題。例年地理と歴史で大問2題ずつ。残りが公民と現代社会という割合で、やはり地理と歴史の比重が高い出題といえます。

2013年は大問は全部で6問。それぞれに資料や問題文があり、読みでがありました。

1 日本の工業について
戦後の日本の工業の変遷や各工業の生産規模や世界順位、輸出問題、工場の海外移転問題など。

2 経済の問題 
売り手に直接現金やカードで支払わない価格、需要と供給のバランスで決まらない価格、など現代社会の経済に関する問題。

3 地図と震災
東日本大震災で被害にあった地域の地図と、昔の地図から情報を読み取る問題。液状化の原因は何かを考えさせています。
地図を読み取り、そこから情報を得て、どのように結論づけるか。また読み取れた情報をどう整理するか、などが問われました。2番同様、かなり考えさせる問題だったと思います。

4 水田の歴史
テーマが水田で各時代で水田がどうであったのかを考えさせる問題です。税の仕組みも併せて聞いているので、これも歴史の問題としては結構細かい問題だったと思います。

5 歴史上の人物
歴史上の人物を選択肢から選ぶ問題。これは比較的点数がとれた問題でしょう。

6 現代社会の問題

2011年7月4日の天声人語が出題されました。
日本の家族構成は一人暮らしが31%に達し、夫婦と子供は29%、夫婦のみが20%、など数字をある程度推定して答えなければなりません。

全体として、高度な問題だったという印象でした。細かい部分もありますが、もっている知識を総動員していろいろ考えなければいけない、という点ではすぐれた問題だったと思います。

例年、地理に関しては地図に関する主題が多いのですが、今年は過去と現代の地図の違いから液状化を読み取る、ということで結構難しかったと思います。地図の問題は毎年、いろいろ工夫されて出てきますので、地図の見方に慣れておかないといけません。しかし、今の子どもたちの生活ではなかなか地図を利用することがないでしょう。たまに親子で知らない土地に出かけ、地図を頼りに郵便局や公園、あるいは学校などを探してみる、というようなことも大事な勉強になるのではないかと思います。

全体を通じて、解答形式は選択式、単語解答がほとんどです。記述は1行程度なのでそれほど長く書く練習は必要ありません。

ここ数年、資料が多くなり、問題数も増えてきています。30分でこれだけの問題を解き切るのはなかなか大変です。まずは基本的な知識をしっかり覚えること。そして過去問を中心に問題演習をしながら、資料を読み取る練習をすること。この2つがまず対策の中心になります。

歴史はあまり細かくはありませんが、それでも幕末から明治にかけては慶應義塾や福澤諭吉に関してやや細かい問題が出題されることがあります。また世界の国についても地図である程度位置を確認しておくことは重要な対策のひとつでしょう。

暗記テキストは10月ごろまでにある程度仕上げて、そこから問題演習から得た知識をさらに覚えていく、ということで知識の深みが持てるようになると良いと思います。

特に大事なことはいろいろなことに多少なりとも関心を持っていること。時事問題や統計なども大事な勉強です。特に「日本のすがた」と「地図帳」は手元に置いて、勉強しながら位置や統計を確かめる、という工夫をしていってほしいと思います。
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ノーテンキ
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1クラスの人数は減ったが
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慶應普通部 学校別対策の考え方(3)

普通部の理科は30で100点満点。

大問は6題程度。今年は5問でした。

問1 トンボに関する問題
問2 電気
問3 台風と気象
問4 対照実験
問5 ものの温まり方

という出題でしたが、電気の出題は非常に久しぶりです。例年から考えると物理、化学系の問題よりは生物、地学系の問題が多いでしょう。中でも普通部の理科の特徴は生物です。

普通部の理科教育においてフィールドワークが重要視されていることから、これに関する出題が多くなっています。

今年のテーマはアカトンボ、オニヤンマ、ギンヤンマ、イトトンボ。

トンボの大きさや、冬越し、幼虫の図など例年通り、細かい知識が必要でした。今回は飼育法についての問題も2問ありましたが、やはりただ図鑑を見る、というだけでなく、飼育の経験は必要なのかもしれません。

スケッチを書かせる問題もあれば、開花の時期や成虫になる時期を答える場合もあります。他の学校よりはかなり細かい問題と言えるでしょう。ただ、この対策はなかなか難しいとも言えます。なかなか類題が多くはないので、過去問を中心に学習しますが、同じ問題が出ることはあまりないので、また新しい動物、植物を考えていかないといけないからです。したがってある程度対策はするにしても、ある程度捨てる度胸も必要でしょう。

今年で言えば、問4の問題は生物の対照実験でしたが、しかし生物に関する知識を要求されているのではないので、残りの問題である程度得点することも考えておかないといけないのです。

まずは全範囲にわたっての基礎を固めることでしょう。

あまり細かい知識を覚えることに時間を割かず、理科の基礎力を鍛えることにまず注力してください。過去問を見ると、どうしても細かいことをやろうと考えがちですが、実際に理科の基本的な考え方が身についていれば、いろいろと応用する範囲が出てくるのです。

カリキュラムが終わったら、自分が不得意だと思う、物理、化学の範囲を中心にまず勉強してください。それが終わったら、さっそく過去問をやってみましょう。

過去問をやると、どういう問題が出ているのかわかるでしょうが、だからといって慌てて細かい生物の知識を覚えようとはせず、過去問の中身を検討して内容を理解してください。そうすると、何を覚えなければいけないかが、絞り込めてきます。あまり突拍子もない動物や植物を考えても仕方がないのです。

あくまで充分に観察しうるようなものが対象です。これは過去問をやりこんでみると、わかってくると思います。

そのためにも、あまり今から細かい知識を覚えようとせず、穴のないように勉強をしていってください。

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正六角形の問題
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残った教材
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慶應普通部 学校別対策の考え方(2)

普通部の国語はここのところ、長文2題と漢字という形になってきています。

1問目が物語文の読解。 2問目が説明文・随筆で、物語の方が文章の採録が長い傾向にあります。今年は高樹のぶ子「マイマイ新子」からですが、A4上下段4ページ弱。長かったと思います。

出題形式としては書き抜き、選択が多く、字数の長い記述問題はあまり出題されません。今年は全部で十三問ありましたが、記述は二題だけでした。問十が十五字以内。問十一は小問が2題ありますが、解答用紙はそれぞれ一行ずつですので、あまり長く答える必要はありませんでした。

残り十一問のつち、選択問題は6問。書き抜きが4問。残り1問が一文を文中にあてはめる問題でしたが、選択問題は良い問題が並んでいました。文章が長いので、書きぬく言葉を見つけるのも大変ではなかったかと思います。また今年は主人公が女の子なので、普通部受験生にその気持ちがどこまで読み取れたか、ちょっと難しかったのではないかと思います。

例年物語文は採録された文章から主人公の置かれた環境や背景、登場人物の行動の理由、心情の変化などが問題として取り上げられており、単純にここにこう書いてある、ということだけでは済まない問題が少なくありません。特に選択肢は紛らわしいものが多いので、何を決め手にするかは悩むことが多いかもしれません。

一方、随筆や説明文は採録される文章が比較的コンパクトにまとまっています。また記述問題も少なく、今年は出題がありませんでした。選択問題と適語選択、書き抜きなどが中心ですが、今年は特に少なかったように思います。やはり前半の物語文の読解に比重があったように思われます。

3問目は漢字。
決して難しくはありませんが、他校でも良く出る問題というわけではありません。漢字の問題集は比較的細かいレベルまで勉強をしておいた方が良いでしょう。

読解としてはやはり、物語文に比重がありますので、まずここを過去問を中心に練習していく必要があるでしょう。

ある程度、読解力がついてきたら、説明文に行き、さらに文学史や漢字に、と対策を進めていけばよいので、夏休み前は物語文の読解練習に力をいれてください。

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食塩水の濃度
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